
2015年度 第3回ベスト・プロデュース賞 受賞者
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<代表受賞者> 添田 隆昭 氏 高野山真言宗 宗務総長 学校法人 高野山学園 理事長 |
【選考理由】 当時、密教という最も斬新な宗教思想をわが国に伝えた卓越した思想家である空海。その業績は、学問芸術のみならず土木・社会事業にいたるまで多岐に渡り、僧侶の範疇を超越していた。 また高野山は、神仏が共存共栄し、多様性を許容する空海の教えを、1200年もの永きに渡って守り続けてきた。「寛容と共生」という世界でも希有な概念を具現化しようとした空海と、その教えを守り続けて来た高野山の功績を讃え推挙。 |
【プロジェクトの概要】 |
高野山は816( 弘仁七) 年に弘法大師空海によって修禅の道場として開かれ、爾来1200年に渡って日本人の総菩提所として魂の故郷であり続け、今日でも国内外から多くの参詣者を招き入れている。 神仏が共存共栄してきた高野山のありようは、日本文化の基底を支える大きな要素であり、「寛容と共生」の精神文化は世界的にみても普遍的な価値を有している。 |
【受賞した感想】 |
このような賞を頂けたことは大変名誉なことであり、光栄に思っております。 高野山開創1200年という記念すべき年に本賞を受賞したことは、ひとえにお大師さんがもたらされたご縁であると感謝をしております。 春の開創1200 年記念大法会期間中には、50日間で60 万人にのぼる方々にご参拝いただき、無事法会を成満することができました。2004(平成16)年に「紀伊山地の霊場と参詣道」として世界遺産に登録されて以来、今では年間5万人を超すお客様が、海外からお見えになられていますが、改めて、国際人としてのお大師さんの偉大さを感じています。 |
【今後の活動などについて】 |
開創1200年ということで私たちが考えなくてはならないことは、1200年という歴史の意味であります。 かくも長い期間、高野山という地域を支えてきた信仰のあり方は、日本の貴重な精神文化として、今後も金剛峯寺と山内塔頭寺院が中心となって守っていかなくてはなりません。 合わせて、なぜ高野山という場を日本文化が必要としてきたのか、という高野山そのものの意義や、空海の思想の普遍性といった知的側面の探求は、来年創立130周年を迎える高野山大学が担って行きます。 地球環境問題や持続可能な社会形成のために、今こそ、弘法大師空海と高野山の思想的意義が問われているのです。 |
【プロデュースとは】 |
高野山を開創された弘法大師空海は、唐から密教という新たな世界観、ひとつの思想のシステムをわが国に伝えた卓越した宗教家であり、また思想家でした。 その業績は、書、文章などの芸術方面から、学校の創設、満濃池の修築といった土木・社会事業にいたるまで多岐に渡り、当時の社会や文化のムードを作り、現在に至るまで日本文化に大きな影響を与えてきました。 その業績を省みると、プロデュースとは、個々の個性を活かしたまま、調和して共存させる、多様性を許容するバランス感覚のことではないか、と感じます。その意味で、高野山とは、まさにその最高かつ最大の、プロデュースの成果なのだと思います。 |
【登壇者のご紹介など】 |
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藤田 光寛 氏 高野山大学 学長 |
角濱 正和 氏 株式会社 角濱ごまとうふ総本舗 七代目 高野町教育委員会 教育長 |
平田 永一郎 氏 株式会社 珠数屋四郎兵衛 代表取締役 高野町商工会 会長 |
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尾上 恵治 氏 伽藍中門再建工事 筆頭堂宮大工 株式会社 尾上組 代表取締役 和歌山世界遺産マスター |
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上の画像のクリックで授賞式のVTRがご覧頂けます。
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